『蒲田発路上シンガー』  〜旅流 草一郎ブログ〜

蒲田駅前で歌い続ける路上シンガーの徒然日記

March 2016



     卒業の季節

      盃をくれた君もゆく

    



 <航海日誌>
 蒲田西口のタクシー乗り場前で唄ってて声を掛けられ、キャバレーの軒先の立呑み屋に場所を移して早5年。その間、駅ビルが改装をしたり、シンボルマークの八百屋がケータイショップに変わったりと街並もずいぶん変わりました。安保法案の時分にはストリートミュージシャンやホームレスも一掃されて静まり返った駅前を騒がすのは良くも悪くも自分の音だけになりました。その頃から誰に頼まれた訳でもないのに日本の場末蒲田西口のBGMを自負し、西口を初めて訪れる人に昭和の香りが色濃く残るいい街だねって言われるような雰囲気作りを勝手な責任感ですが努めて参りました。
 泉谷の「春夏秋冬」で開店を告げ、陽水の「東へ西へ」でお務め帰りの男ども女どもを労い、拓郎の「ペニーレーンでバーボンを」で酔っぱらいに火を点け、終電時刻を「池上線」で知らせ、みゆき女史の「ヘッドライトテールライト」でタクシーの長い列を慰め、「竹田の子守唄」で店の灯りを消しました。旅先なら物珍しがられた歌唄いも一カ所に腰を据えれば1円にもならないその程度という現実を知ったのもここでした。寺銭すら払えなかった自称歌手を今ではその歌手がいないと商売んならねぇと冗談でも言ってくれるほど自信と実力をつけさせてくれた立呑み屋「おでん龍」ですが今週の木曜31日でその暖簾を下ろすそうです。大将は「つかれたんだよ」といつもと変わらずへらへらしながらおどけて見せますが、急すぎる話しに裏の諸事情があることぐらい察しは付きます。俺も「永い間おつかれさまでした」とだけしか言いませんが、納得はいきません。しかし、男の決断に何も言わないのも男の友情。野暮な詮索を一切してこなかったから大将も今まで俺を信用できたんだろうし、俺も裏の社会には絶対に関わりたくなかったし。ん?… …でも、今、手元にあるこの朱色の盃はなんなんでございあしょう?
 兎に角、唄を聴いててくれた皆さんへの感謝はまた改めて致しますが、取り急ぎあの店が無くなると言うことを店主に代わってお伝え致したという午前5時にて候。



 昔、原宿のクロコダイルにいた頃、印象に残った大御所方Best3

第1席:ジョー山中さん…セッションでスタンバイミーに引っ張り出さ
    れるも若いドラマーが勝手に終わってしまい見せ場がなかった。
第2席:「外道」さん…肩掛けの電子パーカッションをポンタさんが弾
    き熟せていなかったように僕には見えた事案。
第3席:「KCランキン」さん…SHOGUNのKey。男達のメロディの元
    ネタを流暢な日本語でばらしていた。 

番外席: 角川ひろしさん…友人のライブを見に来ていた。出演者より
     派手なスーツだった。


<航海日誌>
 今宵は町田WEST VOXの「にしらじ」を聴いていた。パーソナリティの西さんからクロコの店長の西さんを思い出したという経緯 ヒック。



?旅流ライブ情報?
4月2日 「music bar CODA」 オープンマイクイベントMC(僕もエントリーします)



  風が吹く

    手元の灯りが消える



 久しぶりの月夜に気付き
   ウサギを数えてみる


      ギリシャ文字の皿時計になった
        記憶の影から話しかけてくるのは…



   ノスタルジアが駒を進めたのはあの緑のマスの
       ノースカロライナアベニューなのか



<航海日誌>
 あの頃、ビリージョエルはペンシルバニアはまだ見つかっていないって歌ってたけど。平和が舞い降りたばかりの窓辺からリリースされた名曲はまるで検査薬品のようで、、、今聴いても全くピンと来ないのは硝煙反応が僕らの生活から消えて久しいということなのか。
  

?旅流ライブ情報?
3月20日
 墨田区の堀部安兵衛公園の完成式典にて歌う予定です
https://www.facebook.com/horibeyasubei/?fref=ts

4月2日
 music bar CODA オープンマイクイベントMC





 絶え間なく夜が来ては
 絶え間なく夜が去る


        傍らにはいつもバーボンウィスキー
        誰に影響されたんだっけ
        ヘミングウェイはベルモットだったか…まいいや







  格好つけてる風に見られるのは仕方ないし、関係ない
  だって僕達はバーボン中毒
  それが証拠に、
  ジムビームをサントリーが買収したって止められなかったんだ


  昔、ロックフェラーセンターを三菱地所が買収した時
  店子がどんどん引き払っていったっていう
  ヤンキー魂の嫌悪感を垣間見る出来事があった


  あれを踏まえて僕達はサントリーがビーム社の全株を買い付けたって
  ニュースを聞いたとき南部が黙ってるわけないって思ったのさ

  だってどう思う?たとえば八海山の酒蔵をバドワイザーが買収して
  あんたは呑む気がするのかい?僕?、、、僕はまぁ呑んでみるかな。
  それで味が変わってなけりゃバドを見直すかもしれない。
  てゆーか、
  美味けりゃ呑むし、美味くなけりゃ呑まないし、好きにやってよって
  感じかかもね。


  なるほど。僕がバーボンを好きなのはこんな風に寛容になれる
  からなのかもしれないね。
  だからバーボンに限らず人は分かり合う近道として
  酒を酌み交すんだね。
  ま、どうでもいいね、酔ってるし。そんな曲です。


<航海日誌>
 ジムビームはメガボトルに限る。分厚い小説を読み終える時のそれに似て、愛着と喪失が味わえるから。



?旅龍 草一郎ライブ情報?
旅流 SWEET HOME KAMATA ライブ!!Vol.22
日時:3/5 OPEN 18:30 START 19:00
場所:music bar CODA
出演:冨山議慎、旅流草一郎 
charge ¥2000+2drink(500~×2)
場所:music bar CODA
東京都大田区西蒲田5-27-15 東武ハイライン西蒲田B1F
JR/東急 蒲田駅 西口より徒歩5分


翌6日は同上のCODAさんにて開催されるOPEN MICでMCに抜擢されました。いい加減なMCぶりをバーボンでもやりながらどうぞ寛容にご観覧ください。
そして、出演される飛び入りのアーティスト達のパフォーマンスにはどうぞご期待下さい。スタッフ一同心よりお待ちしております。
chage¥1000/ギター、グランドピアノ、カホン 貸し出し無料!



 空の青さを見に来たけれど/旅流 草一郎


 小春日和の日だまり見つけ 
 コンビ二焼酎のキャップを開ける
 澄み切った空 絵に描いたよな富士山
 これじゃ呑まずにいられない

 確か、あの山に登ったのは十代の夏 
 恋とか愛だとかが人生最大の悩みだった頃
 酒やタバコは成り行きで覚えたけど
 シンナーや万引きはできなかった

 新宿駅のロッカーに学ラン押し込んで
 仲間と風切って歌舞伎町のディスコ通い
 踊り明かせば結局帰るのが面倒になり
 家より近い学校へ帰って寝てた

 ケンカに強い女にも強い大不良のクセ 
 走らせればいつだってマラソンじゃ余裕の一等賞
 嫌いだったあいつも最後は刑務所を行ったり来たり 
 面会室坊主頭のあいつが俺に頭を下げて ああ…俺は泣いたんだっけ  

 空の青さを見に来たけれど 空の青さを見に来たけれど


 曲がったことが嫌いでとにかくまっすぐでありたくて
 人によって態度を変えたりすることが一番許せなくって
 正直さや正しさの正体が何であろうが やさしさの正体が何であろうが

 出席日数が足りなくなった俺を母親が問いつめる
 俺は単車を手に入れて一人この河川敷を見つけた
 先生は俺を呼び出し力一杯殴ってくれた
 その夜、親父は浮気相手を家に連れてきた

 空の青さに救われただろう 空の青さに傷つけられただろう

 誰かが空高く揚げた凧が鳶とけんかしてる
 歓声があがりサッカーや野球少年達は全力で風の中
 夢追い人は空に吸い込まれてまたここに来るのさ
 飲んだくれはそんなあんたを見に来るのさ

 俺はあの日の空を今も信じてる だけどあの日々が正しかったかはわからない
 空の青さを見に来たはずの 空の青さを…



 小春日和の日溜まり消えて コンビニ焼酎のキャップを閉める




<航海日誌>
 オムニバスアルバムのオファーを受けて書いてみた曲


?旅龍 草一郎ライブ情報?
旅流 SWEET HOME KAMATA ライブ!!Vol.22
日時:3/5 OPEN 18:30 START 19:00
場所:music bar CODA
出演:旅流草一郎 他(未定)
charge ¥2000+2drink(500~×2)
場所:music bar CODA
東京都大田区西蒲田5-27-15 東武ハイライン西蒲田B1F
JR/東急 蒲田駅 西口より徒歩5分



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