『蒲田発路上シンガー』  〜旅流 草一郎ブログ〜

蒲田駅前で歌い続ける路上シンガーの徒然日記

JR蒲田駅東口路上ライブ月・水・土20:00〜21:00 (開催・中止は当日のtwitterでご確認ください)

 干上がった水辺をシラサギが飛んでゆく。

 ムクドリが群れから離れて横切ってゆく。

 カラスが新しい鳴き方を自慢気に披露する。

 餌を放る類いの人と期待してか亀が近づいてくる。

 キジバトは連れ立って飛び去ってしまう。

 イワツバメが気にしながら風を切る

 カルガモは対岸から声の主を突き止めにくる。

 ドバトは気付くと背後にいる。

 カワウが水中から首を出す。

 ボラが跳ねる理由は分からない。

 カミキリムシがやたらと鳴いたり身を潜めたり。

 空と声とが一緒になる感覚を知ってるかい?



 サーモスをネットで探したせいか?それと、近所の爺さんにCDをプレゼントしたせいなのか?
あれ以来、アイスペールと軍歌大全集を組み合わせた奇っ怪な広告がブラウザの端でしきりにうごめいている。どうにかしてくれ。


 あの瞳を思い出す度、年を取ったなと思う夜。

 長いトンネルを抜ける。別れに近づく。

 丘の上の住宅地。

 風。涙。別れ。


 あの瞳を思い出す度、年を取ったなと思う夜。

 映画とか…笑う場所が一緒だったな。

 相手ではなく自分を愛していた証さ。

 一番近くて、一番気持ち悪い、

 へたくそなギターのチューニングのような淡い恋。

 燃え上がって消えちまった。

 壊れゆく正しさが縋り付くのが雨に滲んだ赤提灯ならばー。
  あいつは今夜も夢見る場所を得られるだろう。

 壊れた思い出と、甦る断片の君が、今宵もこの胸を灼く。
  ボトルが空く前に寝てしまおう。

 雨上がりの雑踏が渇き出す前にバーボンを飲み干してしまおう。
  ボトルが空く前に寝てしまおう。

  ボトルが空く前に…

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